新しいシステムによる院内感染予防対策を始めました。

2006年の医療法改正により、病床を持たない歯科診療所においても、2008年4月1日より医療安全のための体制整備が義務化されこととなりました。
要約しますと、歯科診療所に対して、新しい院内感染予防対策のガイドラインが、官庁より発令され、それに沿った対応をそれぞれの歯科医院において行う事が義務化され、法制化されることになりました。
当院におきましても、以前より院内感染予防対策を日々充実させることに努力をしてきましたが、このような状況の中、より高い水準による洗練されたシステムへ、大胆な変革を行いました。
まず2006年11月、日本口腔感染症学会への入会をはたし、院内感染予防対策のモデル医院といわれる九州の某歯科医院にて、3日間の研修を行ってきました。
それにより院内感染予防対策の多くの知識、ノウハウを得ることができました。
それでは、当院の新しい院内感染予防システムと、それに付随した新しい機器類をご紹介いたします。 大事な第一歩が、まず、完全個室化でした。 そのため、2006年12月末に院内の大改装を行い、個室化を図りました。

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患者様ひとりひとり個室にて診療することは、菌飛散防止や、使用した器具類を消毒室まで持っていくことなく、その場で各個室内の消毒液槽に入れ、すばやく除菌を行うことができます。
感染を予防するためには、使用した器具類の放置時間をできるだけ少なくすることが重要です、そして段階的な洗浄を行うことが大切です。 又、治療ユニットは、全4台すべてにおいて、ドイツ・シーメンス社製の最新機器を設置しています。
ご存知のように、ドイツ・シーメンス社は、工作機械メーカーとして古くから他の追随を許さない品質と徹底した製品管理を誇っています。 歯科ユニットにおいても、その機能面、衛生面では群を抜いています。

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シーメンス社製ユニット

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院内の風景

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当院では、薬液消毒>超音波洗浄>オートクレーブ滅菌と進めていきます。


各室のキャビネット部

薬液消毒槽は各室に備え付けてあるキャビネットの手洗い部 向かって右手手前が消毒液槽です。

治療で使用された器材を、消毒液槽内に入れ消毒しているところです。

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次に、超音波消毒機に消毒薬を入れ、器具類に強い超音波振動を与えることで、汚れや細菌群を、ほぼ完璧に洗い落とします。 数十分間、この超音波消毒を行います。

超音波消毒機

次にこれらの器具から薬液を洗い落とさなければならないため、しっかりと水洗を行います。

そして乾燥後各治療内容により分別され、滅菌パックに収納されます。

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また、歯を削るタービンハンドピースや、電気エンジンハンドピース、4倍速ハンドピースなど 各種の口の中で歯を削る機器類もすべて滅菌パックされます。
これらのハンドピース類も治療ユニットと同じくドイツシーメンス社の物を全てにおいて使用しています。シーメンス社のハンドピースは、世界で一番軸ぶれが少ないことで定評があります。ぶれが少ないという事は、それだけ削っている時の振動が歯に伝わりにくいということです、そのため当然歯を削っている時の痛みは軽減されるということです。
このように歯を削る切削器具にこだわる事は、歯科医師としての評価を問われる大事な用件であろうと私は認識しています。 30年以上の臨床経験のなかで各社のハンドピースを使ってきましたが、シーメンス社に勝る物は、はるかに存在しませんでした。そのためこの15年以上に渡り、シーメンス社以外のハンドピースは使ったことがありません。
そして、昨年度、平成19年のシーメンス社製ハンドピースを日本で一番多く購入した歯科医院であることをシーメンス社より報告されました。 その数は、各種ハンドピースを合計して約60本になります。
これは、患者様ごとに全て取り替えられ滅菌にまわされます。なぜなら感染のリスクが一番高い物であるからです。 そのために、高額な設備投資ではありますが、これだけの量のハンドピースを用意しているのです。
ハンドピースは使用後清掃され、ドイツ、カールテンバッハ社製全自動清掃注油機にて注油されます。

カールテンバッハ社製全自動清掃注油機

滅菌パックに収納されたハンドピース

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次に、最終工程となる滅菌処置をしていきます。 いよいよ他の滅菌パックに収納された器具類とともにオートクレーブでの滅菌処理へと進みます。
消毒と滅菌の違いは、消毒は特定の病原菌のみを死滅させるのに対して、滅菌はすべての細菌を死滅させることを意味します。
当院では、この一番大事な滅菌行程において、オートクレーブとケミクレーブの2台の全自動滅菌機と、最新の高速オートクレーブ滅菌機を使用して、治療で使われた器具類を全て滅菌処理しています。

左がオートクレーブ滅菌機、右はケミクレーブ滅菌機

高速オートクレーブ滅菌機

滅菌処理された器具類は区分けされ保管庫にて、厳重に保管、管理されます。

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それではこのように滅菌された器具類がどのように患者様に提供されるのかをご説明する前に、院内の衛生管理をご説明しながら進めます。

まず玄関に入ってスリッパの選択をして頂きます。 使い捨てスリッパにされるか、清掃され紫外線消毒されたスリッパにされるかという選択です。

スリッパ消毒機

使い捨てスリッパ

そして、待合室ではゆっくりと寛いで待って頂くために、セルフサービスですが、コーヒー、ミネラルウォーターが備えられています。ご自由にお飲み下さい。


待合室風景

院内のタオルはすべて紙タオルの使い捨てタオルとなっています。
通常のタオルは雑菌が繁殖しており、そのタオルで拭くことで手は逆に汚染されてしまうからです。
又、蛇口のコックを廻して水道水を使うという行為も衛生面で問題があります。そのため、院内のすべてを自動水洗としています。

キャビネットの自動水洗

紙タオル

トイレ内写真と設備 自動で便器、便座が上下します。トイレ内紙タオル、トイレ内自動水洗。

トイレ入り口

トイレ内、便座が自動で上下します。

トイレ内紙タオル

トイレ内自動水洗

トイレには、使い捨ての紙便座シートが用意されています。又、ご希望により除菌スプレーによりお拭き頂くこともできます。

パウダールームの写真と設備

このように衛生面を最大限考慮し、清潔な環境を整えることは、医療機関の最も重要な責務であろうと考えます。

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それでは、先程の滅菌された器具類がどのように患者様方に支給されるかを、順を追って説明します。
滅菌され滅菌パックされた基本セットは、ドイツバイエル社製のビニールシートに裏打ちされ防水加工の施された使い捨ての滅菌シート上に並べられます。

滅菌シート上に置かれた滅菌パック、手袋は当然ですが、患者様ごとに必ず交換します。

基本セットのパックが開かれ、滅菌シート上に基本セットが並べられました。

滅菌、消毒処理にかかろうとするユニット

左側のアシスタント用ユニットにバキュームチップを取り付けますが、このアシスタントユニットのすべての取っ手類は患者様ごとにラップされます。

アシスタントユニット

向かって右のドクターユニットのスリーウェーシリンジも患者様ごとに消毒されラップされます。

ドクターユニット

その横に並ぶ4本の歯を削る、切削機器類は先ほどの滅菌行程でお見せした滅菌された切削機器類です。ユニットに取り付けられるとビニールシートが被せられます。使用するときはそのビニールシートを取り外し使用することとなりますが、使用されビニールシートの外されている切削機器類は、すべて消毒室に運ばれ再び滅菌処理されます。
当然ドクターユニットの取っ手もよく触れる部分であるため、向かって右の取っ手のみラップされます、左の取ってはしません。なぜなら全く触れることのない取っ手だからです。
このように細心の注意を払い衛生管理を行っております。 他にも手を触れる物であらゆる部分に、患者様ごとに使い捨てのビニールシートを被せていきます。

ヘッドレストカバー

レントゲンカバー

よく触れるライトの取っ手も当然ラップされます。

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治療中に使われる水も、当然きれいで殺菌力のあるものが好ましい事は言うまでもありません。そのためシーメンス社のユニットには全て貯水槽が設けてあり、この貯水槽にオキシドールと精製水をそれぞれが500㎖入れ、1ℓが入る貯水槽となっています。
水道水を治療のための水として使用しないドイツシーメンス社の医療哲学の高さが感じ取られます。私が最高の歯科ユニットとして認めるのは、そこかしこにこのような高い倫理観念が見て取れるからなのです。

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それでは、実際の治療にあたって私たち歯科医師が考えなければならないこと、それは顔の保護と衛生です。あのいやな、かん高い音をたてて歯を削る切削機器は、音だけではなく、虫歯菌に汚染された切削片も周囲に飛び散らせます。そのため、顔はその切削片の最終的な堆積場所となってしまいます。
そして又、治療器具を誤って顔に落としてしまう危険などからも顔を守らなくてはなりません。そのため、必ずドレープと言って滅菌された厚い布(ドレープ)を顔にかけます。 衛生面だけではなく、安全にも十分配慮されていなければなりません。

どんなおもてなしよりも、医療機関としての最高のおもてなしは、清潔であること、その信念は医療人である限り持ち続けます。
そして、お世辞やお愛想ではなく、院内の清潔を保つ努力を常に怠らない心は、 来院される患者様への感謝と、真の愛の証です。

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